海岸林が新潟の街を砂から守っている
昔から、新潟の海岸は風が吹けば「砂ふぶき」が起こっていました。その度に住民たちは、家や田畑の作物が砂で埋まるという被害に苦しめられてきました。
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海岸林は、道路や私たちの家を強風、潮風や風で飛ばされた砂による被害から守ってくれています。
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新潟の海岸林を取り巻く問題
1つ目の問題は、「松くい虫」による被害です。
「松くい虫被害」とは、マツノマダラカミキリとマツノザイセンチュウの共生関係により松が枯れる被害です。
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適切な被害対策を行うためには、松くい虫被害発生のしくみを理解することが重要です。
新潟県では昭和52年頃から長年にわたって松くい虫の被害が発生していました。
継続的な被害対策により、令和4年には被害を減少させることができているそうです。
2つ目の問題は、外来種「ニセアカシアの繁殖」による被害です。
ニセアカシアとは?
ニセアカシア(学名: Robinia pseudoacacia)は北米原産のマメ科ハリエンジュ属の落葉高木である。植物学上の標準和名はハリエンジュ(針槐)[2][3]。日本には1873年に渡来した。蜜源植物として重要で、街路樹、公園樹、砂防・土止め用の植栽、材は器具用等に用いられる。季語は夏である。
wikipedia
ニセアカシアの外来種問題
日本には明治時代初期(1873年)に導入された。日本やヨーロッパの自然環境に定着したニセアカシアは、外来種として多くの問題を発生させている。ニセアカシアが侵入したことで、アカマツやクロマツなどのマツ林、ヤナギ林が減少し、海岸域や渓畔域の景観構造を大きく改変させていることが確認されている。
wikipedia
ニセアカシアは生命力がとても強い植物で、在来種であるマツやヤナギの木を侵食してしまうそうです。
また、伐採による根絶が難しいことも、問題を深刻化させています。
生命力旺盛なニセアカシアによって、新潟の街を守っている海岸林が被害に遭っています。
ニセアカシアの外来種問題に取り組む人たち
新潟市北区島見浜一帯の海岸林を守るために、ニセアカシアの外来種問題の解決に取り組む方々がいます。
北区の海岸線に約4キロメートルに渡って広がる「海辺の森」はクロマツを主体とした海岸林として飛砂防備保安林並びに保健保安林に指定されています。しかし平成23年頃から爆発的に発生した松くい虫による被害で、多くの松を失ってしまいました。大切な森をどうやって未来に引き継いでいくべきか。平成25年度に「新潟市北区海岸林保全計画」を策定し、地域全体で森の再生を始めました。
海辺の森の保全活動団体の紹介
NPO法人「森の会」理事長との出会い
森の会理事長の関本さんと出会ったのは2023年秋。
関本さんが話すニセアカシアの外来種問題の中で、特に感動し、心を動かされた言葉があります。
ニセアカシアは悪くない。
生きているだけ。
人間の都合で持ち込まれて、人間の都合で要らなくなったから邪魔者扱いするのが悪いことだと思う。
ニセアカシアを有効活用できる道を作りたい。
ニセアカシアを邪魔者扱いして嫌うのではなく、人とニセアカシアが共生する未来を創りたいという関本理事長の言葉に感銘を受け、トトノウニイガタとして何かお手伝いができないか、応援ができないかと真剣に考えました。
ニセアカシアは薪として優秀
生育がきわめて早く痩せ地でも育つこと、材が固くゆっくり燃焼するので火持ちが良いこと、そしてある程度湿っていても燃えることなどの利点があるため、薪炭材としても用いられていた。1950年代まで、一般家庭の暖房や炊事、風呂の焚きつけなどに使う火力は、ほとんどが薪(まき・たきぎ)や炭に依存していたため、ニセアカシアは大変有用な植物であった。北海道に多く植えられたのも、寒冷地の暖房用燃料としての需要が多かったためである
wikipedia
薪や材木として活用するために日本に持ち込まれたニセアカシア。
エネルギー源が木から電気・ガス・化石燃料へ変わっていく中で、人間の都合で時代に置き去りにされてしまったのです。
ニセアカシアでテントサウナをすると凄かった!
よく燃えるニセアカシアの薪
海辺の森キャンプ場でテントサウナを設営
トトノウニイガタでは、テントサウナをするときに「ナラ」材の薪を利用していました。
薪ストーブに利用する際は、火が長く持つ「広葉樹」の薪が適していて、「ナラ」はホームセンターなどで入手するのが簡単だったからです。
このご縁を機に、今後は海辺の森キャンプ場で伐採するニセアカシアを積極的に利用します。
嫌われ者のニセアカシアが人を温め楽しませるものに代わる取り組み
テントサウナのイベントで多少のニセアカシア薪を燃やしたところで、その消費量では大した貢献にはなりません。
今後は、海辺の森キャンプ場でテントサウナイベントをたくさん開催したり、テントサウナのレンタル提供をしたいと考えています。
また、テントサウナを所有していらっしゃる方々が海辺の森キャンプ場でニセアカシア薪を利用してテントサウナを楽しむことができるように取り組みます。
テントサウナだけではなく、焚き火やキャンプファイヤーを体験できるイベントなども企画していきます。
自然と共生する持続可能な取り組みへ
持続可能な取り組みとは、「無理のない心がけ」と言い換えることができると思います。
テントサウナを通して、たくさんの方々に楽しんで頂き、喜んで頂くことが、そのまま海辺の森キャンプ場への貢献、海岸林の保全活動への貢献へと繋がる。
テントサウナという娯楽が、巡り巡って新潟の街を守ることに繋がる。
私たちの取り組みで、そんな良い循環型社会の仕組みを生み出していきたいと思います。
トトノウニイガタでは、サウナ事業を通して下記のSDGs達成への取り組みを推進します。